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中国から帰ってきた人のブログ。

中国から帰国した後の生活をつづるブログ。読書、映画、音楽、日々のできごと等々記録していきます。
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就職活動の最終段階で、私は高齢者の介護や何か役に立つ仕事ができたらと思うようになっていた。 ちょっと真面目なはなし。

ひとつは、ボランティアで訪れる老人介護施設のお年寄りの姿を見て。 ふたつめには、実の祖父母を見て。 私が中学校二年の時に認知症を発症した祖父の症状は、既にかなりの段階まで進んでいる。 同じ台詞を何度も繰り返し、家の中では迷い、皆に飽き飽きされ、イライラされる雰囲気が蔓延している。かくいう私だって、映画館で騒がしい祖父の頬をつねって大喧嘩したのは今年の1月のことだ。 そして日中デイサービスに行く祖父を送り出し、一人でうちで待つ祖母の姿を、ぼんやりと一人大きな家にいる祖母の姿を見て、これは何とかしないといけないと感じたのだ。 今の会社に内定が出て、そして悩んだ。高齢者とは何の関係もない販売を中心にした仕事内容だったから。 さりとて、直接高齢者に関わる仕事に従事するにも、方向転換が大きすぎる。当時はやはり《中国》がひとつのベクトルとしてあった。 人事の方にも相談した。 返事も待ってもらった。 そして結果、内定を(ありがたく)受け取ったのは、高齢者の為に何かしたいと言う想いを持って、販売に携わるのもありだと思ったから。 高齢者でも地域でも、それへの想いを持っているから関連の仕事に着くことはもちろんいいことだ。 でも、その想いを持った人たちが色んな分野にいれば? 高齢者へ、地域へ各分野からアプローチすることができる。各分野が協力し合うこともできるかもしれない。 そう考えて就職先を決めた。だから私の就職先は直接的に高齢者と関わる所ではない。でも、関わる可能性を秘めている。 話は変わって今日のこと。 デイサービスから帰った祖父に、頭のトレーニングをしてもらおうと、色々実験してみることにした。 まずは計算。加減乗除は完璧で、できるからむしろ幼稚だとやろうとしない。 ふと、いつも故事成語を呟く姿を思い出し、ことわざを五ページほど印刷してクイズにするとこれが大当たり。『石の上にも?』「三年」 『勝って兜の?』「緒を締めよ」 すらすらと出てくるばかりではなく、ことわざの意味を尋ねると、これがいつものあの祖父かと思う程にしゃきしゃきと教えてくれるのだ。 五ページ終わっても、「次はなんじゃ」と急かす程にツボにはまったらしい。祖母も驚き顔で、 《ただ側で、やることもなく、あれができんこれがてきんと言うばっかりやったけど、こんなこともできるんやの……》と、私からプリントを受け取ると、読み上げ始めた。 何も出来ない、ほっこ(馬鹿)になってしもうた。 そう思って認知症の人に接すると、多分状況はなんも変わらない。 出来ることを探して、周りから変えてみようとすれば、沢山あるのだ。できることは。 そんな祖父も、施設に入るかもしれない。 うちで面倒を見るのも大変になってきたのだ。同居もしていない私には何も出来ないし言えない。 ただ、何も出来ないと思われている祖父にも、まだまだ出来ることは沢山ある。それには、周囲の手が、力が、アイデアが必要だ。 認知症の高齢者自身に、何ができるか。 出来る何かを引き出す。 目の前の人だけでなく、色んな人にそれを知り、実践してもらうために、その方法を考える。 私が将来やりたいことは、そんなこと、なんだ。
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