中国から帰ってきた人のブログ。
中国から帰国した後の生活をつづるブログ。読書、映画、音楽、日々のできごと等々記録していきます。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
森見登美彦のデビュー作、『太陽の塔』を読んだ。
読み進めるうちに、主人公と周りを取り巻く状況に自分と似通った部分が多いことに気が付いた。
京都の大学5回生が主人公であり、クリスマス前の時期を描いたこの作品を、東京で中身も知らず購入したのは、なんだか偶然でもないような気がしてくる。
主人公は"「休学中の五回生」という、大学生の中でもかなりタチの悪い部類に属している。"
一年のクリスマス直前に付き合っていた後輩「水尾さん」に振られてからも、「水尾さん」研究の継続という名目で、本人は断じて否定するもののストーカー行為すれすれに彼女の後ろを付けて回っている。
彼の周囲には、一回生の時からの五年来の友人たちが未だにたむろして「男汁」を煮えたぎらせている。
恐ろしく緻密な頭脳を持ちながらも、その才能と知性の無駄遣いっぷりを発揮する「飾磨(しかま)」。
貫禄のありすぎる大学院生であり、超弩級のオタク「高藪」。
地球上のあらゆる人間の不幸を祈り続ける「井戸」。
彼らは、クリスマス前の浮かれた四条河原町、京都駅ビルのクリスマスツリー、コンビニのクリスマスケーキ、クリスマスの気分に酔いしれるカップルたちに正面切って戦いを挑む。
その名も「ええじゃないか騒動」。
クリスマスに向かう12月の寒空の中、古本屋と部屋とバイト先を往復する私の元に、水尾さんを追う私にライバルが現れたり、水尾さんと太陽の塔が突如として現れたり。
詳細な京都の地名でもって描写される主人公の行動を面白がっていると、いつの間にか夢だか現実だか分からない景色が現れて、全然知らない所へ来てしまっているのが不思議だ。
後に書かれる有名な『四畳半神話体系』や『夜は短し歩けよ乙女』につながるような描写もあれこれと出てくる。
父が食べたという猫ラーメン、「邪眼」の植村嬢、主人公の住む廃墟のような四畳半。
この作品は、上記二作品と比べれば、キャラクターの個性もまだ「普通の人」寄りだし、やっていることにもまだ現実味がある。
ただ、その「現実」寄り、「普通」寄りの作品の中に、作者の京大で過ごした日常を垣間見ることができる。
普通の大学生活の枠組みの中での、刺激が溢れていると思うのだ。
特に印象に残ったのが、主人公が飾磨と二人で左大文字山に登り、火床にある炉で肉を焼いて食べるシーン。(彼らにとって「大文字焼」とは、お盆の五山の送り火のことではなく、大文字山の火床で焼いた肉のことを指すらしい。)
実は、私はそこで肉を焼いて食べた人の話を聞いたことがある。
そのひとは滋賀の大学の人だった。
京大のみならず、「大文字焼」は関西の大学生の間で行われている伝統行事なのかもしれない。
随分前に聞いた話ですっかり忘れいていたが、このエピソードを読んで、私も突然試してみたくなった。
せめて大学生のうちに。
この本の大学生たちが送る、少し無茶苦茶でおかしい世界に、早くも影響されてしまったらしい。
先日、23日に友人と遊ぶ予定を立てていたのだけれど・・・。
まさかクリスマスイブイブに、「大文字焼」をするなんて無理にきまっているよなあ・・・。
でも、卒業までにはなんとかやってみたいと妄想している。
京都の大学5回生が主人公であり、クリスマス前の時期を描いたこの作品を、東京で中身も知らず購入したのは、なんだか偶然でもないような気がしてくる。
主人公は"「休学中の五回生」という、大学生の中でもかなりタチの悪い部類に属している。"
一年のクリスマス直前に付き合っていた後輩「水尾さん」に振られてからも、「水尾さん」研究の継続という名目で、本人は断じて否定するもののストーカー行為すれすれに彼女の後ろを付けて回っている。
彼の周囲には、一回生の時からの五年来の友人たちが未だにたむろして「男汁」を煮えたぎらせている。
恐ろしく緻密な頭脳を持ちながらも、その才能と知性の無駄遣いっぷりを発揮する「飾磨(しかま)」。
貫禄のありすぎる大学院生であり、超弩級のオタク「高藪」。
地球上のあらゆる人間の不幸を祈り続ける「井戸」。
彼らは、クリスマス前の浮かれた四条河原町、京都駅ビルのクリスマスツリー、コンビニのクリスマスケーキ、クリスマスの気分に酔いしれるカップルたちに正面切って戦いを挑む。
その名も「ええじゃないか騒動」。
クリスマスに向かう12月の寒空の中、古本屋と部屋とバイト先を往復する私の元に、水尾さんを追う私にライバルが現れたり、水尾さんと太陽の塔が突如として現れたり。
詳細な京都の地名でもって描写される主人公の行動を面白がっていると、いつの間にか夢だか現実だか分からない景色が現れて、全然知らない所へ来てしまっているのが不思議だ。
後に書かれる有名な『四畳半神話体系』や『夜は短し歩けよ乙女』につながるような描写もあれこれと出てくる。
父が食べたという猫ラーメン、「邪眼」の植村嬢、主人公の住む廃墟のような四畳半。
この作品は、上記二作品と比べれば、キャラクターの個性もまだ「普通の人」寄りだし、やっていることにもまだ現実味がある。
ただ、その「現実」寄り、「普通」寄りの作品の中に、作者の京大で過ごした日常を垣間見ることができる。
普通の大学生活の枠組みの中での、刺激が溢れていると思うのだ。
特に印象に残ったのが、主人公が飾磨と二人で左大文字山に登り、火床にある炉で肉を焼いて食べるシーン。(彼らにとって「大文字焼」とは、お盆の五山の送り火のことではなく、大文字山の火床で焼いた肉のことを指すらしい。)
実は、私はそこで肉を焼いて食べた人の話を聞いたことがある。
そのひとは滋賀の大学の人だった。
京大のみならず、「大文字焼」は関西の大学生の間で行われている伝統行事なのかもしれない。
随分前に聞いた話ですっかり忘れいていたが、このエピソードを読んで、私も突然試してみたくなった。
せめて大学生のうちに。
この本の大学生たちが送る、少し無茶苦茶でおかしい世界に、早くも影響されてしまったらしい。
先日、23日に友人と遊ぶ予定を立てていたのだけれど・・・。
まさかクリスマスイブイブに、「大文字焼」をするなんて無理にきまっているよなあ・・・。
でも、卒業までにはなんとかやってみたいと妄想している。
PR
この記事にコメントする
無題
私も森見さんの本が好きで5作ほど読みました。
太陽の塔いいですよね〜、大好きな作品です。
特に京都で大学生活を過ごしたことがある人なら
共感するところが多々ありますし。
個人的には四畳半が1番好きです。
あとアニメも面白かったですよ。
森見さんの本を熱心に読んでた頃は、
普段の考え事でもあの森見さんの可笑しな文体になってしまったりで、
ぬけるのに苦労しました。
大文字焼、是非実現してください^_^;
太陽の塔いいですよね〜、大好きな作品です。
特に京都で大学生活を過ごしたことがある人なら
共感するところが多々ありますし。
個人的には四畳半が1番好きです。
あとアニメも面白かったですよ。
森見さんの本を熱心に読んでた頃は、
普段の考え事でもあの森見さんの可笑しな文体になってしまったりで、
ぬけるのに苦労しました。
大文字焼、是非実現してください^_^;
コメントありがとうございます
aoyagiさん
四畳半神話体系、アニメも見ましたよ!
面倒くさがりやな私ですが、初めて一気に見た作品でした。独特で面白いですよね!
京都の様子もよく出てくるので見ていて楽しかったのもあります。
森見さんの文体の件分かりますw
つい頭に残ってしまう、癖になる調子ですよね。
大文字焼、もう少し暖かくなった頃を狙ってみます(笑)
四畳半神話体系、アニメも見ましたよ!
面倒くさがりやな私ですが、初めて一気に見た作品でした。独特で面白いですよね!
京都の様子もよく出てくるので見ていて楽しかったのもあります。
森見さんの文体の件分かりますw
つい頭に残ってしまう、癖になる調子ですよね。
大文字焼、もう少し暖かくなった頃を狙ってみます(笑)