中国から帰ってきた人のブログ。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
そういえば、今年はもう5回も東京に来た。
東京に来るたびいろいろな街に行った。
新大久保、お台場、上野には二回行って、アメ横と国立博物館を見た。
神保町に来るのは今回が初めてだ。
古本街で知られた通りなら、お金をかけずに時間を潰せる。それにチェーン店でない古本屋をぶらつくことへの憧れがあった。
早朝、夜行バスで新宿に到着してから、講演会の会場である大手町で時間を潰す。
9時過ぎ、そろそろ古本屋も開店しているだろうと、地下鉄の半蔵門線で神保町へ。
駅を降りて、土産話にでもと集英社と小学館のある方向に足を向ける。
集英社は、最近人気が出始めたジャンプの作品を、大きな絵にしてビルの壁に貼っているのが目立つ。
白山通りを西へ向かいながら、大通り沿いに並ぶ古書店の多さに感心する。
10時前、古本屋はまだ開店準備を始めたばかりだった。11時から開ける店が多いようだ。
音楽雑誌を専門に扱う店の前に、「1冊105円」と書かれた札とともに籠に文庫本が並べられている。
105円の本を買うのは、少ないお金でより多くの本を買いたいからだ。
ピース又吉が、お金がない時代に105円の本を漁り歩いていた話を思い出す。
古書店の中で面白そうと思う本を読みふける。315円。しかし僕にはその300円がない。
諦めて、外の105円で売られている籠の中から、読みたい作者の名前を探す。
彼も、ここでこういう風に105円籠を覗き込んでいたのだろうな。
今回のテーマは知らない作家を発掘する。である。
導引書は沢木耕太郎の『夕陽が眼にしみる』。ここに書かれた9割の作家名を、私は知らない。
バス車中で目を皿の様にして登場する作家名を記憶して、105円コーナーにその人の名前を探した。
吉村昭の『戦艦武蔵』が欲しかったが見つけられず、短編集と長編を一冊ずつ買った。
またぶらぶら店先の籠を覗いていると、『戦艦武蔵』があった。しかも100円。
今日は運があると思い、購入。
一通り大通り沿いの店を覗いてから、裏通りを歩いてみようと思った。
膨大な本を通路にまで積み重ねた古書店や、小さく看板を出した出版社が並んでいる。
ヒールを履いて足が疲れたので、早めの休憩も兼ねてどこかで休みたいと思った。
会社が多いから、昼休みの時間帯は混むだろうし。
裏通りに、手頃な値段の看板が出ていた。
ホテルの一階にあるカフェだ。
値段からも、そして雰囲気からも決して美味しい店ではないだろうと躊躇したが、中の店員と目があって、つい門をくぐってしまった。
ホテルといっても、ユースホステル風のものらしい。
欧米人が二人、先に座ってコーヒーを飲んでいた。
エビとトマトのクリームパスタ、コーヒー付きで650円。
可もなく不可もない味だったが、人がおらず、コーヒーはセルフサービスで、気兼ねせず長居できるのが良かった。
ホテルの一階ということで、大荷物を持って入っても目立たないのもいい。
沢木耕太郎の『檀』の初版本を見つけたので、それを片手にコーヒーを飲んだ。
SAKURA HOTEL 1階のSAKURA CAFE。
http://www.sakura-cafe.asia/jimbocho/
機会があれば、また本を読みに行こうかなと思う。
*
講演を聞き終わって、暗くなった大手町に出た。
隣駅の神保町へ、今度は歩いて行くことにする。
東京は至る所に地図看板が立っているのでいい。
靖国通りを地下鉄神保町駅に向かって歩くと、神保町ほどの密度では無いながら、古書店が立ち並んでいる。
会社帰りのサラリーマン(主におじさんの年齢の人たち)が、軒先の古本を覗き込みながら歩いている。
神保町に辿り着くと、またいくつか店舗を散策する。
個人経営の古書店には、店の色がある。
例えば神保町のある古書ビルなんて、一階から芸能関係、漫画、自然科学関係、教育関係、絵本…という風に。
無造作に古本を売るような、チェーン店の古本にはない、専門性だとかこだわりが感じられて面白い。
外に出された籠の中に、檀一雄の『火宅の人』を見つけて胸が躍った。
『檀』のまさにテーマともいえる本だ。文庫本でなく、箱入りのハードカバーであることも重要だった。
まさにその装丁に触れる文章を読んだばかりなのだ。
鞄は重かったが、しばらく悩んでそれを買った。200円だった。
初めから105円のコーナーしか見ないのにも理由がある。
それ以上の値段の本を、買いたくなってしまうのが怖いからだ。
買えない以上、見ても仕方がないという気持ちがある。
それに、105円コーナーには、意外に多くの人に読まれている名作が揃っていたりする。
とにかく、まだ初心者の私にとって105円コーナーは十分に覗くに値するのだ。
結局今回は8冊買った。
新しい作家を発掘するといいながら、読んだことのある作者が顔を並べている。
これを読み終わる頃、来年の4月には東京だ。
また神保町へ古書をあさりに行きたいと思う。
東京はやはりオツなところですね。
東京全然知らないですけど、こういうところで1人のんびりと
時間をつぶしたいなと思いました。
大都会の東京にあるからさらに良いんでしょうね。
>一気に小説風の文体になりましたね(^-^;
確かにそうですねw
影響を受けやすいので、何か読んだり見たりしたら、すぐに脳内が染まってしまうんです・・・。
この間日経呼んだあと、考えが新聞調になってるのに気づいた時は、自分でもちょっとどうかと思いましたw
東京はやっぱ文化の発信地だけあって、演劇や講演会やコンサートや盛んですし、色んな専門店が充実してます。興味を持てば楽しく過ごせると思いますね。